血液内科を選んだ理由と経歴 | Case 2
2022.11.02
田辺 命
金沢大学 2013年卒
血液内科を選んだ理由
はじめまして。石川県立中央病院 血液内科の田辺 命です。「いのち」と書いて「みこと」と読みます。私は、母が血液疾患を患っていたこともあり、学生時代から血液内科に興味を持っていました。血液内科を選択した決め手は、大学4年生の病棟実習です。最初に担当させていただいたのが、同種造血細胞移植を受ける直前の私と同い年の急性骨髄性白血病患者さんで、今でも鮮明に記憶に残っています。血液難病に懸命に立ち向かう患者さんの力になりたいと思い、同時に造血幹細胞移植というダイナミックな治療へ憧れ、血液内科への入局を決意しました。
血液内科医としての経歴
卒後臨床研修では、1年目は恵寿総合病院、2年目は金沢大学附属病院で研修する「たすきがけプログラム」を選択しました。私は初期研修開始時から血液内科医になることを決めていたため、血液内科を中心にローテートすることもできましたが、造血細胞移植の支持療法として不可欠な他科の知識は研修医のうちでないと習得しづらいと考え、幅広い診療科を選択し、医師としての基礎を学びました。3年目はそのまま大学病院の血液内科に所属し、専門知識と技術を学びました。4年目は黒部市民病院、5年目は石川県立中央病院で血液内科医として勤務し、6年目から2年間は、金沢大学大学院生として造血幹細胞と赤血球造血に関する研究に没頭しました(Tanabe M et al. Leukemia 2022)。8年目は大学で入院患者を受け持ちながら論文を仕上げ、9年目からは石川県立中央病院へ再度赴任し、造血幹細胞移植を含めた血液診療を行っています。
学生・研修医の皆さんへ
血液内科の治療は日進月歩で開発され、新規分子標的治療薬や免疫細胞療法の登場によりこれまで造血細胞移植を行っても救えなかった「命」も救えるようになってきてきました。血液内科は、医師人生を歩む中で、新しいことに挑戦し続けられる、やりがいのある科だと思います。