留学報告 (2017-2020)<br/>National Institutes of Health (NIH)

留学報告 (2017-2020)
National Institutes of Health (NIH)

2022.10.24

材木 義隆

NIH留学
大学院卒業後、2017年から2020年の間に、メリーランド州ベセスダにある米国国立衛生研究所(National Institutes of Health: NIH)のNeal S Young先生のもとに、postdoctoral fellow(ポスドク)として留学する機会をいただきました。骨髄不全症の臨床研究で世界を牽引しているYoung研究室は、複数型(institutes)であるNIHのうち、National Heart, Lung, and Blood Institute(NHLBI)のHematology Branchに属しています。広大な敷地に50以上のビルが立ち並び、最も大きなbuilding 10(the NIH clinical center)は、臨床試験用の病院で、私たちの研究室もその一角にありました。中尾前教授、細川先生も留学されており、今回中尾先生のご紹介により留学する運びとなりました。
 

研究内容
Young研究室のポスドクは、臨床試験に参加した骨髄不全患者さんの臨床試料(血液や骨髄)を用いた研究を行います。私は、大学院時代からのテーマである再生不良性貧血の病態解析に継続して取り組み、3研究を論文化することができました(制御性B細胞の解析[Zaimoku Y et al. Br J Haematol 2020]、HLA遺伝子変異解析[Zaimoku Y et al. Blood 2021]、免疫抑制療法反応性の予測因子検討[Zaimoku Y et al. Haematologica 2022])。
 

生活
中尾先生や細川先生も過ごされたCongressional Towers Apartmentを拠点としました。古い建物でしたが、春には桜、夏はプールに蛍、秋には紅葉、冬は雪が積もり、家々がライトアップされ、日本以上に四季を感じることができました。ただし、バスタブが低くどっぷり浴槽につかれないこと、ウォッシュレットがないこと、そして新鮮な魚を入手できないことは大きな問題でした。シンクの棚からキノコが生えてきたのは、今となっては良い思い出です。渡米後すぐに子供が産まれたため、遠方への観光にはあまり行けませんでしたが、現地家族と仲良くさせていただき、サンクスギビングや、ハロウィン、クリスマス、イースターなどの現地イベントに参加する機会に恵まれました。2020年3月に新型コロナウイルス感染症が米国内で拡大し、NIHが閉鎖されたタイミングで帰国しました。
 

学生・研修医のみなさんへ
北陸内で完結していた私の生活環境や価値観は、米国留学により大きく変貌しました。苦労も多かったのですが、人生を彩る数多くの貴重な体験をすることができたと思います。金沢大学血液内科は、宮本教授をはじめ海外留学経験者が多く、今後も留学希望者を支援していきます。留学生活に興味がある方も、ぜひ血液内科医局説明会にご参加いただければと思います。
 

研究室メンバー
NIH, building 1
The NIH Clinical Center (building 10)