血液内科医のためのChatGPT活用法

血液内科医のためのChatGPT活用法

2024.03.16

みなさん、ChatGPTについてご存知ですか?現在流行しているAIで、様々な質問に答えてくれます。

 

ChatGPTは、OpenAIによって開発された自然言語処理を行う人工知能モデルです。GPT(Generative Pre-trained Transformer)という技術をベースにしており、大量のテキストデータを学習して、人間のように自然な言葉で会話やテキスト生成ができるように設計されています。ChatGPTは、質問に答えたり、テキストを生成したり、対話形式で情報を提供したりすることができます。このような機能により、様々な用途で利用されています。

 

今回は、血液内科医としてChatGPTをどのように活用すべきか、その一つの答えを示したいと思います。それはズバリ・・・

 

 

 

「上司がある日突然Youtuberになったとき」

 

 

 

仮にですが、もしある日突然上司がYoutuberになり、動画の感想を毎日聞かれたら、どうしますか?正直に「見ていません」と言うのも気まずいですが、適当に感想を言っても見ていないことがバレてしまいます。でもChatGPTがあれば大丈夫!なんと、Youtubeの内容を要約してくれます。

 

以下は、とある血液内科医のYoutube動画(約10分)をChatGPTに要約させたものです(ご本人の同意を得ています)。

 

この動画は出血性疾患の診断と治療の落とし穴について説明しており、5つの主な原因を取り上げています:血小板数の減少、血小板機能の低下、凝固異常、線溶活性化、血管壁の脆弱性。
血小板数の減少は最もわかりやすい原因ですが、血小板機能の低下や凝固異常は検出が難しいことがあります。線溶活性化は容易に見逃される状態であり、注意が必要です。
EDTA誘発性疑似血小板減少症は、血液検査管内のEDTAの存在下でのみ血小板が凝集し、誤って低い血小板数を示す現象です。この状態は病気ではなく、体内では血小板が正常に循環しています。
平均血小板体積(MPV)と血小板分布幅(PDW)は、血小板のサイズと変動を評価するための重要なマーカーです。これらの値は血液検査結果で自動的に提供され、異なる出血性疾患を区別するのに役立ちます。
未熟血小板分画(IPF)は、新しく生成された血小板を識別するための有用なマーカーです。これらの血小板は大きく、より活動的です。免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)のような状態では、新しく形成された大きな血小板の存在によりMPVとPDWが増加します。

 

約10秒で読破できるこの要約により、人生の貴重な時間を9分50秒節約できます。

 

では感想を聞かれたらどう答えましょう?

 

動画についての感想としては、以下のような点を挙げることができます。

内容の充実: 「異常出血の原因としての血小板数の低下に関する詳細な説明があり、特にMPV、PDW、IPFといった血小板関連の指標についての解説が理解しやすかったです。」

実用性: 「実際の臨床現場で役立つ情報が多く含まれており、特にEDTA誘発性偽血小板減少症についての注意点は、誤診を防ぐために重要な知識だと感じました。」

分かりやすさ: 「難しい専門用語もありましたが、全体的にわかりやすい言葉で説明されていて、非専門家でも理解しやすい内容でした。」

今後の学習への興味: 「この動画を見て、血小板数以外の異常出血の原因についてももっと学びたいと思いました。特に、血小板機能の低下や凝固異常に関する情報が気になります。」

これらのポイントを基に、ご自身の言葉で感想を述べると良いでしょう。また、動画の中で特に印象に残った部分や、理解が難しかった点があれば、それも含めるとより具体的なフィードバックになります。

 

これであなたが出世することは間違いありません。

 

 

 

ちなみに以下が今回要約したYoutube動画です。

 

  

なお「ピットホールじゃなくてピットフォールですよ!」と揚げ足を取ることは禁忌です。気をつけましょう。

 

またChatGPTは必ずしも完璧ではありません。今回の要約における「血栓生成活性化」は、「過度の線溶活性化」の誤りでした。やはり元動画をしっかり視聴することも重要ですね!

 

以下、宣伝です。

 

血栓止血のお役立ち情報(Youtube動画配信中)

 

2024年2月24日から、上記の動画配信を開始しました。

血栓性疾患、出血性疾患、エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症)、播種性血管内凝固(DIC)、抗リン脂質抗体症候群(APS)、抗血栓療法(抗血小板療法/抗凝固療法)、凝固関連検査(PT-INR、D-ダイマー等)などについて情報発信していきます。

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